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Vimizim(ライゾーム病『モルキオ症候群』の治験薬)がEMDACの支持を獲得

BioMarin Pharmaceutical 社は本日、ムコ多糖症 IVA型*1の治療薬『 Vimizim 』の承認をFDAの胃腸薬諮問委員会(Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee )が推奨したと発表しました。21人の同委員のうち、19人が MPS IVA 患者に対するVimizimの使用を支持し、1人がMPS IVA 患者サブグループへの適用を支持し、1人の委員が承認を推奨しませんでした。

 

Vimizimは酵素補充療法( enzyme replacement therapy )で用いる治験薬であり、ライゾーム病『モルキオ症候群(Morquio A syndrome)』患者を対象とします。モルキオ症候群はものすごく珍しい重度の進行性疾患であり、先進国で3000人が罹患している推定されています。

 

「モルキオA症候群に対する初の治療薬を実現させようとしている我々は、今回の進展に大喜びしております。今後もFDAと協力してこのニーズの高い治療法を確立するために奮闘していきます。」と、BioMarinの最高経営責任者(Chief Executive Officer )であるJean-Jacques Bienaimeは述べています。


Vimizimについて

 

Vimizim(elosufase alfa)は、モルキオ症候群やムコ多糖症IVA型(MPS IVA)の患者を対象とした治験薬であり、現在FDAの審査を受けています。同薬は酵素補充療法(ERT)で用いる最初で唯一(first and only )の薬剤であり、モルキオ症候群A型の根本原因(underlying cause ;N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ[ N-acetylgalactosamine-6 sulfatase ;GALNS]の欠乏)を標的とします。Vimizimの酵素補充療法は、不足しているGALNSの活性を補完し、multi-systemic manifestationの進行を最小限に抑えます。モルキオ症候群A型は重度かつ進行性の奇病であり、支持療法(supportive car)に代わる標準的治療法(standard treatment)がまだ確立していません。

 

モルキオA症候群について

 

モルキオA症候群(またはムコ多糖症 IVA型)は、グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan;GAG)というケラタン硫酸(keratan sulfate )とコンドロイチン-6-硫酸(chondroitin-6-sulfate )の分解に不可欠な酵素を欠く病気です。中途半端に分解されたGAGは細胞内に蓄積し、進行性損傷(progressive damage)をもたらします。過度の蓄積は骨異形成症(skeletal dysplasia)、低身長症(short stature)、関節異常( joint abnormalities)を引き起こします。

*1:Mucopolysaccharidosis Type IVA

カドヘリン-11を阻害する新治療法:乳癌、脳腫瘍、関節リウマチに有効

関節リウマチ( rheumatoid arthritis )と特定の癌という二つの全く異なる疾患では、細胞同士の付着を促進させる「のり(接着剤)」分子が過剰発現しています。この分子を標的にすれば両疾患を治療できるかもしれないことが、新たな試験により明らかになりました。

 

また、ジョージタウン大学医学部の研究チームは接着性タンパク質「カドヘリン-11(cadherin-11)」を標的とする医薬品候補も発見しました。候補物質のうちの一つはすでに治験薬としてその有効性が調査されているところです。

 

Georgetown Lombardi Comprehensive Cancer Centerで分子がん専門医(molecular oncologist )を務めるStephen Byersは、「カドヘリン-11が癌の進行や関節リウマチにどれくらい関与しているかは十分に分かっていませんが、今回の発見はすぐに臨床応用できるようになるでしょう」と述べています。

 

今回の試験結果は医学誌『Oncotarget』に論文として掲載される予定です。

<strong>乳癌と脳腫瘍ではカドヘリン-11が過剰発現</strong>

接着性分子は乳癌の約15%で過剰発現しており、さらに脳の接着様支持組織( glue-like supportive tissue of the brain)で形成される膠芽腫(glioblastoma)ではそのほとんどで過剰発現していることがわかりました。

 

Bayer教授は次のように述べています。

 

「これらの癌のほとんどで見られる共通の特徴は、カドヘリン-11と予後不良(poor prognosis)、そして有効な治療法がないということです。カドヘリン-11の発現は腫瘍の増殖に必要なので、これを阻害できれば、その増殖を止めることができます。これは本当にすごいことです。実際に、細胞株と動物を用いた実験では成功しています。」

 

Byers教授はこの接着分子が膵臓がんの発生にも関与していると考えています。

 

<strong>カドヘリン-11を標的にして癌とリウマチを治す</strong>

 

ジョージタウンのByers教授率いるチームは、癌においてカドヘリン-11を阻害する小分子を開発しました。

 

上市済みの薬剤をスクリーニングしたジョージタウンチームは、関節炎薬としてよく知られるセレブレックス(Celebrex)が同様の効果をもつことを発見しました。しかし、同薬は接着性タンパク質を阻害するのに必要な量だと毒性があまりにも高いので、癌におけるカドヘリン-11を標的に使用することができませんでした。

 

さらにこの試験では、ハーバード大学の Michael Brenner 博士がデザインした抗体が、どのように関節リウマチでカドヘリン-11を阻害するのかがわかりました。このことは、接着性タンパク質を産生させる腫瘍を呈する動物モデルで確認されました。

 

コロンビア大学のLawrence Shapiroが実施している試験では、カドヘリン-11の結晶構造(crystal structure )を構築し、それがセレブレックスと他の小分子薬剤候補にどのように結合するのかを調査しています。

 

カドヘリン-11は新たな敵として歓迎されています。これを攻略すればいろんな病気を芋づる式に治せるかもしれません。

NeuRx Diaphragm Pacing System(横隔膜ペーシングシステム)をカナダ保健省が承認

Synapse Biomedical がSpinal Cord Injury Breathing ApplicationとしてのNeuRx Diaphragm Pacing System (DPS)<img src="/images_e/e/F075.gif" alt="レジスタードマーク" width="15" height="15" border="0" /> でカナダ保健省の承認を取得しました。

 

Synapse Biomedical 社は本日、人工呼吸依存の脊髄損傷(ventilator­dependent Spinal Cord Injury (SCI))で横隔膜(diaphragm)の随意調節(voluntary control)を欠く患者を対象とした、 NeuRx DPSの承認をカナダで取得しました。カナダ保健省の承認により、カナダの脊髄損傷患者は、臨床試験やMedical Devices Special Access Programme(医療機器特別アクセスプログラム)を通してのみ利用可能であった技術の恩恵を受けられるようになります。

 

この医療機器は低侵襲( minimally invasive )の腹腔鏡手術(laparoscopic surgery )で埋め込まれ、横隔膜筋( muscles of the diaphragm)に電気刺激を与えます。NeuRx DPSで刺激すると横隔膜が収縮するため、自然な呼吸を再現することが可能となり、肺の上部と下部へ空気を(人工呼吸器[mechanical ventilator]の場合よりもスムーズに)流入させることができます。

 

NeuRx DPSは2007年11月20日にCEマーキングを取得しており、EUで横隔膜機能不全患者を対象とした医療機器として承認されました。また2008年には、脊髄損傷により人工呼吸を必要とする患者を対象にFDA承認を取得しました。

 

カナダ保健省による承認は、Vancouver General Hospitalなどの米国とカナダの病院で実施された臨床試験データに基づくものです。インプラントを行った外科医はその全員が手術前に専門の訓練を受けました。

 

「カナダ保健省がNeuRx DPS<img src="/images_e/e/F075.gif" alt="レジスタードマーク" width="15" height="15" border="0" />を承認したことは我々にとって非常にうれしいことです。これにより、患者は自分の力で呼吸できるようになります」と、Synapse President および Chief Executive OfficerであるAnthony R. Ignagniは述べています。

 

「Synapse Biomedical は低侵襲の腹腔鏡技術を確立して優れた患者サポートを提供することにより、人工呼吸依存の脊髄損傷患者を対象とした横隔膜ペーシングを実現させました。結果は個人間で異なりますが、患者によっては素晴らしい自由を得られるようになり、最大で1日24時間人工呼吸器がなくても大丈夫になります」と、Respirologist and Professor of Medicine UBC, The Lung Centre, Vancouver BC.の Jeremy Roadは話します。

Imbruvica(イブルチニブ):マントル細胞リンパ腫(非ホジキンリンパ腫の希少タイプ)の治療薬

急速進行性の珍しい血液がん(a rare and aggressive type of blood cancer)であるマントル細胞リンパ腫( MCL;mantle cell lymphoma )の治療薬として「 Imbruvica(イブルチニブ;ibrutinib)」がFDA承認されました。

 

MCLは非ホジキンリンパ腫( non-Hodgkin lymphoma )の稀なタイプであり、米国では非ホジキンリンパ腫の全症例のうち約6%を占めています。MCLと診断される頃には、リンパ節や骨髄、他の器官( lymph nodes, bone marrow and other organs)への転移がすでに生じています。

 

Imbruvicaは、以前に治療を受けたことのあるMCL患者に使用されます。この医薬はがんの転移や増殖に必要な酵素を阻害することによりその効果を発揮します。ImbruvicaはMCLの治療薬として承認された第三の医薬品です。 Velcade (2006) と Revlimid (2013)が同疾患の治療薬として承認されています。

 

Imbruvicaの承認は、奇病( rare diseases)に有効な治療法を確立しようとするFDAの取り組みを表しています。FDAは医薬品の開発、審査、および承認を促進させるために企業と協力しており、これはBreakthrough Therapy Designation プログラムでの公約を反映しています。

 

ImbruvicaはFDA承認を取得するために画期的な治療薬の指定(breakthrough therapy designation )を受けた第二の医薬品です。2012年11月に制定されたFDA安全及びイノベーション法( Food and Drug Administration Safety and Innovation Act)により、新薬が既存薬以上の効果を示すという臨床エビデンスがある場合に限り、FDAはスポンサーの要請により「画期的な治療薬」の指定を行えるようになりました。

 

FDAは同機関の迅速承認制度( accelerated approval program)のもとで Imbruvica を承認しており、これにより、患者に対する臨床的有用性を予測し得る臨床サロゲートエンドポイント( surrogate endpoint )に対して、医薬品がどの程度の効果をもつのかを示す臨床データに基づいてFDAは重度疾患治療薬を承認できます。この制度により、新薬に対する患者のアクセスが容易になる一方で、企業は確認的な臨床試験を実施することができます。FDAはImbruvica の優先審査( priority review )とオーファンドラッグ指定(orphan-product designation )も認めましたが、その理由は、同薬が重篤な症状の治療で優れた安全性と有効性を示したことから、希少疾患に対しても有効である可能性が高いことにあります。

 

マントル細胞リンパ腫を適応症とするImbruvicaの迅速な承認は、111名の被験者に対してImbruvicaを(副作用が発生したり症状が悪化するまで)連日投与した試験結果に基づくものです。被験者の66%で癌の縮小または消失が確認されました。生存率や疾患関連症状がどれくらい改善するのかは明らかになっていません。

 

一般的な副作用は、血小板減少症(thrombocytopenia)、下痢、好中球減少症(neutropenia)、貧血症(anemia)、倦怠感、筋骨格痛(musculoskeletal pain)、浮腫(edema)、便秘、上気道感染(upper respiratory infection)、吐き気、呼吸困難(dyspnea)、腹痛、嘔吐、食欲不振です。他の臨床的に有意な副作用は出血や感染症、腎障害、他のタイプの癌発生などです。

メルク社のGrastek:花粉誘発性アレルギー性鼻炎の免疫療法薬

米国とカナダ以外でMSDとして知られるメルク社は本日、Grastek(Timothy Grass Pollen Allergen Extract)錠剤のFDA承認を得たと発表しました。同薬はアレルゲン・エキスであり、オオアワガエリ花粉特有のIgE抗体を対象とした皮膚テスト、またはin vitro検査で陽性反応を示す草花粉誘発性アレルギー性鼻炎の免疫療法に用いられます。Grastekの使用対象年齢は5~65歳です。同薬はアレルギー症状を即座に緩和するものではありません。

 

Grastekの処方情報には、重度のアレルギー反応に関する警告文が含まれます。重度かつ不安定な喘息を呈する患者や、重度のアレルギー反応の既往歴をもつ患者、舌下腺アレルゲン免疫療法を受けた後に重度の局所反応を示したことのある患者、製剤に含まれる不活化成分への感受性が高い患者には禁忌です。

 

毎年花粉の時期になると、中等度から重度のアレルギー性鼻炎を抱える多くの患者は、緩和薬を服用していても鼻や眼のアレルギー症状を呈するようになります。これらの患者は一般的に複数の過敏症を抱えています。なかには免疫療法を受ける人もいますが、アレルギー注射の回数は減らさなければなりません。GRASTEKのFDA承認により、アレルギー専門医は花粉アレルギー患者に対して新たな治療法を提供できるようになります。

 

草花粉誘発性アレルギー性鼻炎の症状には結膜炎の有無に関係なくくしゃみ(sneezing)、鼻水、鼻閉( congested nose)、涙目( watery eyes)などがあります。

 

GrastekのFDA承認は、オオアワガエリや交差反応性の草花粉により生じるアレルギー性鼻炎の成人や小児を治療するアレルギー専門医に革新的な治療薬を届けるものです。これはメルク社にとって重要なマイルストーンになるでしょう。

グラクソ社がTanzeum(2型糖尿病治療薬)でFDAの承認を取得

2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善させる Tanzeum (albiglutide) 皮下注射剤が、FDAにより承認されました。

 

Tanzeumは2型糖尿病を抱える多く米国人にとって新たな治療選択肢になります。糖尿病の総合管理における血糖値のコントロールにおいて、同薬は単剤投与という形だけでなく、従来の治療法に同薬を追加する形でも用いることができます。

 

Tanzeumはグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アンタゴニストであり、血糖値の正常化を促進させるホルモンです。同薬の安全性と有効性は、2型糖尿病患者2000名以上を対象とした合計8件の臨床試験で評価されました。臨床試験に参加した患者はHbA1c値(血糖コントロールの測定値)の改善を示しました。

 

Tanzeumは単独投与型と、他の2型糖尿病治療薬( metformin, glimepiride, pioglitazone, insulinなど)との併用投与型として研究開発されてきました。同薬は1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス)の人には禁忌であり、さらに摂食や運動管理を怠る患者に第一選択薬( first-line therapy )として用いることもできません。

 

特定のGLP-1受容体アンタゴニストとTanzeumをマウスに投与した試験

では甲状腺腫瘍が確認されましたが、Tanzeumがヒトにおいて甲状腺髄様がん(medullary thyroid carcinoma;MTC)というタイプの甲状腺がんなどの甲状腺C細胞(thyroid C-cell )腫瘍をもたらすかどうかは明らかになっていません。多発性内分泌腺腫瘍2型(Multiple Endocrine Neoplasia syndrome type 2 :一箇所以上の分泌腺に腫瘍を呈し、MTCを形成しやすくなっている状態)の患者や、甲状腺髄様がんの家族歴を有する患者へのTanzeum使用は禁忌です。

 

FDAは以下の上市後試験を条件としています。

 

・小児患者を対象に投与量、有効性、安全性を評価するための臨床試験

 

・Tanzeum関連のMTC発生率の増加を確認するための最低15年間のMTC症例登録

・ベースライン時に心血管疾患リスクの高い患者を対象に、Tanzeumの評価を行うための心血管アウトカム試験

 

Tanzeum投与群で確認された最も一般的な副作用は下痢、吐き気、注入部位反応(injection site reactions)でした。

Tanzeumはグラクソスミスクライン社が製造販売します。

Evzio:携帯型のナロキソン自動注入機器

FDAは10日、オピオイド過剰摂取(opioid overdose)の人を対象にその家族や医療従事者が利用できる処方薬を承認しました。Evzio(塩酸ナロキソン注入剤)では携帯型(ポケットに入れたり薬品に補完できる)の自動注入器でナロキソンの迅速な単回投与が可能です。

 

オピオイド過剰摂取(呼吸回数および心拍数の減少、または意識消失を主徴とする)と考えられる、または疑われる者に対する緊急処置で用いられる薬剤です。

 

薬物の過剰摂取による死(ほとんどは処方薬の過剰摂取による)は米国における傷害死亡の主な原因となっており、2013年には自動車事故による死亡件数を上回りました。Centers for Disease Control and Prevention の報告によれば、過剰摂取による死亡は10年以上前から増加し続けています。

 

ナロキソンは過剰摂取に対する基本的な治療薬であり、オピオイド過剰摂取の効果をすぐに減弱させます。しかし、既存のナロキソン薬は注射器での投与を必要とするだけでなく、緊急処置室や救急車の医療スタッフが最も頻繁に用いる薬剤です。

 

「処方薬の誤使用や違法オピオイドの乱用がもたらす過剰摂取や死は、米国で最も懸念させる公衆衛生上の問題の一つとなっています。Evzioは医療現場以外でのナロキソン投与を可能にする初の薬剤&医療機器コンビネーション製品です。商品化されれば、緊急現場で薬剤をより迅速に使用できるようになり、多くの命を救うでしょう」とFDAのCenter for Drug Evaluation and ResearchのAddiction Products部長を務める Bob Rappaportは話します。

 

Evzioの投与法は筋肉注射または皮膚注射です。スイッチを入れれば自動体外式除細動器のように音声ガイドで投与法の説明を聞くことができます。家族や介護者はオピオイド過剰摂取者への投与前に使用法を理解しなければなりません。訓練用の機器があるので、緊急時に備えて練習することが可能です。

 

ナロキソンはオピオイドほど長く作用しないことがあるため、複数回の投与が必要になることがあります。Evzioは救急医療処置の代替法ではないため、Evzioを投与した者は患者のために他に何ができるかを考えなければなりません。