2014-12-02から1日間の記事一覧

手話通訳

現在、各地で手話講習会が間かれている。家族や職場に聴覚障害者がいる人や聴覚障害者にかかわる仕事をしている人以外に、手話に興味をもっている人は増えている。こうした人が手話通訳者として登録され、学校、病院、会社、法廷、講演会場で仕事をする機会…

骨導を利用した植え込み型補聴器

先天的に完全に外耳道が閉塞している場合(外耳道閉鎖症)で、内耳の機能は保たれている際には、治療として千術がおこなわれている。トンネルを掘るように外耳道を掘り、その先に鼓室と鼓膜をつくるのであるが、千術はかなり複雑で、結果は不満量であること…

人工中耳と人工内耳

他方で、全植え込み型人工中耳を待つ声は大きい。全植え込み型人工中耳に必要な充電式電池は近年著しく進歩した。全植え込み型ではマイクロホンの植え込みも必要である。これについて、われわれは動物実験で実用性をたしかめているが、ヒトでの臨床経験はな…

光学機器、画像診断の進歩、コンピュータの参画

さきにのべた手術用顕微鏡は、今日、五〇年前とくらべるとまったく比較にならないほどに進歩した。視野も明るく画像も鮮明、操作も著しく容易になった。助手用の側視鏡も双眼で、助平が手を出して文すどおり手術を手伝うことができる。術者も助手も、比較的…

 基礎的研究

聴覚医学の進歩には、中耳、内耳、さらにその中枢の聴覚系にたいする形態学、そして基礎生理学が貢献した。これら基礎的研究の進歩が、臨床の聴覚医学の進歩と並行しておこっていたのである。 電子顕微鏡には二種類、透過型電子顕微鏡(透過電顕)と走査型電…

耳鼻咽喉科の変遷

a 抗生物質の登場と病気の変化 科学の進歩が医学を支え、医学を大きく変えてきたことはよく知られているとおりである。その一つは五〇年前の抗生物質の登場で、一〇〇年前に「急性疾患対応」の必要から誕生した耳鼻咽喉科を根本的に変えることになった。救…

耳鼻咽喉科の始まり

耳鼻咽喉科は、外科から分かれて独立の専門分野となった。わが国の場合、一〇〇年ぐらい前のことである。諸外国ではさまざまで、耳鼻咽喉科が独立している国が多いが、今も外科に属している国もある。専門分野として分かれた理由は、耳鼻科領域の救急疾患へ…

薬剤によっておきる難聴の防止

アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシンなど)の使用を控えることは常識であるが、もし使用する場合は厳重な聴覚管理をおこなわなければならない。薬剤による難聴には、とくに感受性が高い体質を遺伝している家系があることは前述し…

騒音性難聴

騒音を発する現場については、労働安全衛生法により適正な管理がなされるように指導がおこなわれている。労働条件は労働基準法によって管理されている。 と②の減音対策は費用がかさむし、騒音防止の対策としては実行困難なことがある。このような場合は「作…

難聴は程度がさまざまで、軽度や中等度の難聴は、知られたくない、かくしたい。そしてある程度かくせることが、補聴器をつけたくないことにつながっているようである。難聴は周囲の人にも、自分自身にもわかりにくいし、わからせたくないという事情が、から…

耳鳴り

耳鳴りは、外耳、中耳、内耳、蝸牛神経、あるいは聴覚中枢への伝導路における異常信号発射を大脳皮質で感受しているものとも考えられる。事実、頭が鳴っている(頭鳴り、あるいは頭鳴)と表現される場含もある。血液疾患、代謝障害(糖尿病など)などの全身…

頭部外瘍 による難聴

交通事故や労働災害で頭を打ったあとに、難聴が生ずることがある。中耳・内耳が収まっている骨(側頭骨)に骨折があって、鼓膜が破れたり、耳小骨連鎖が断裂したりする。内耳要因の蓄積による部分も大きいと考えられる。近年、遺伝子が老化に関係することが…

過大な音響による難聴

強大な音響によって難聴がおこることは、三〇〇年紀前にイタリアの医学書に明確に書かれている。労働医学の父といわれるモデナ公国出身のラマッツィーユは、一七〇〇年にパドヴア大学教授になったときに、『働く人々の病気』を出版した。「銅鍛治の病気」の…

薬剤の副作用 抗結核剤のストレプトマイシン(これをつくったワクスマンは一九五二年ノトペル賞を受賞した)や梅沢浜夫がつくったカナマイシン、ゲンタマイシンなどの薬剤は、アミノダリコシド系という抗生剤で、内耳の有毛細胞や蝸牛神経などを破壊して、感…

ウイルス感染 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は幼小児がかがりやすい。内耳が冒され、高度の感音性難聴がおきることがある。この難聴は回復しない。どういうわけか、両耳でなく片側だけがほとんどである。自然感染で難聴がおきるのは一万五〇〇〇人に一人と…

慢性(化膿性)中耳炎

急性中耳炎が慢性化すると、鼓膜に孔があきっぱなしになり、音を伝える耳小骨も破壊されるなどして、難聴となる。とくに悪性中耳炎の名のある「真珠腫性中耳炎」の場含は、骨の破壊がひどく、内耳や脳にまで病変が及ぶことがある。 なぜ急性中耳炎が慢性化す…

急性化膿性中耳炎

細菌感染が中耳(とくに鼓室と上鼓室)にかかる場含で、風邪をひき、咽頭に感染があるときに、咽頭と通じている耳管を経て細菌が中耳に入りこむことによって引きおこされる。鼓膜を通して、外耳道から細菌が入るのではない。鼓膜は赤く腫れ、鼓室に膿がたま…

 滲出性中耳炎

最近、増えてきた病気である。アレルギーと関係があるらしい。幼小児と高齢者に多い。 ②でのべた耳管狭窄があったり、中耳の粘膜から多量の分泌があって、鼓室に分泌液がたまってくると、滲出性中耳炎になる。耳閉塞感とともに軽度の難聴がおきる。 滲出性中…

 航空性(気圧性)中耳炎

すでに十八世紀に、気球による高空への上昇の際、耳が痛くなったという記録がある。 大気圧の急激な変化により、鼓室の中の圧と、外の圧とが。(ランスがとれなくなるのである。高度の陰圧が鼓室におこると、急激な血管の拡張がおきで、鼓膜や鼓室内に出血を…

耳管狭窄症

耳管が嚥下運動と一緒に開閉しないと、鼓室内の圧と外界の圧とのバランスをとることができない。鼓室の圧が低下すると鼓膜は押されて内方へ陥凹し、鼓膜の運動が制限される。耳がつまった感じとなり難聴も出現する。風邪をひくと咽頭の粘膜につながる耳管の…

 外耳道病変

耳垢がつまった状態(耳垢栓塞)や「サーファーズーイヤ」がある。多くの日本人の耳垢はカサカサしているが、白人の多くは耳垢が膏薬のようにねっとりしていて、たまると完全に耳の孔をふさいでしまう。冷水が外耳道の骨を刺激して、外耳道の骨の増殖がおき…

混合性難聴

これは伝音性難聴と感音性難聴とが混在しているもので、実際にはこのタイプの難聴は少なくない。聴力検査では骨導の値の方が、気導の値よりいくぶんか良好である。手術により伝音性難聴の部分が改善すれば、聴力は骨導の閾値までよくなる。補聴器が役立つ場…

高度難聴(六〇デシベル以上)

一対一の会話も困難である。先天性、あるいは言語獲得年齢の三歳までに高度難聴になると、言語が発達せず、周囲の人が理解できる発語が困難である。現在では、一〇〇デシベル程度までの難聴では強力な補聴器を両耳に装用させ、生後早期から十分な教育をおこ…

軽度難聴(二〇~四〇デシベル)

一対一の会話では不自由はないが、ささやき声や会議でのききとりにやや困難がある。軽度難聴が先天的にあっても言語獲得には不利はないが、もし1000ヘルツ以上の音の聴取力が高度に低下していると、サ行や夕行のように高周波成分を多く含む子音の聴取が…

他覚的聴力検査

今までのべてきた聴力検査は自覚的聴力検査といい、小学生以上の人を対象にし、被検者 が自分に与えられた音や言葉を自覚して反応することを指標にしている。乳幼児ではこのような検査は無理で、三歳をすぎないと検査ができない。状況によっては、成人でもこ…

気導聴力検査

気導聴力検査は、空気中を伝わって、外耳道、鼓膜、中耳を経て内耳に伝わってくる音がどのくらいきこえるが検査するものである。われわれが日常きいているのはこのルートの音である。気導レシーバを耳にあてて音をきく。気導レシーバから出る音をゼローデシ…