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外資系製薬会社にとって日本市場は魅力的

外資系医薬品企業にとって、日本の医薬品市場は十分魅力的ではないでしょうか。2年に1回のマイナスの薬価改定が実施されるとはいえ、競争力おなる製品の価格は崩れない仕組みです。海外での豊富な臨床データや販促実績を販促活動に応用できる強みもあります。

もともと日本市場では、時間をかけて新薬にかかった研究開発投資を回収する忍耐が必要とされてきましたが、外資系医薬品企業は欧米で研究開発費を回収した製品を日本市場に投入して残存価値を高めることができます。今後も外資系医薬品企業は日本市場で販売面における規模拡大を狙ってくるでしょう。

一方、ファイザーノバルティスグラクソ・スミスクラインなどが日本での研究開発体制を縮小したり、研究所を閉鎖したりしています。有力な外資系医薬品企業が日本市場から利益を吸い上げるだけで、医薬品のシーズである創薬研究や研究員の人材交流などが途絶えるのは残念です。研究面でも魅力的なインフラや環境整備を進め、海外からモノ、ヒト、カネを呼び戻す必要があるのではないでしょうか。


日本の医薬品業界はグローバルの業界再編や企業買収の動きについていけず、瞬く間に周回遅れとなってしまいました。むろんファイザーやグラクソに挑むのはあまりに無謀であり、武田薬品工業などの大手4社は身の丈に合った事業展開を貫いてきたといえなくもありません。

ここにきて日本の医薬品企業による欧米企業、特に米国のバイオベンチャーの買収が相次いでいます。狙いはオンコロジーや抗体医薬品などの先端技術を獲得したり、不足している部分を補完するためです。まだまだ欧米メガファーマとの体力差は大きいですが、彼らのホームマーケットで戦うためにはやはり企業買収によるヒト・モノ・カネに加えて、時間を買う必要もあるでしょう。

ただし、企業買収に関して巨額のプレミアムを支払うことになります。企業買収の成否の結果が出るのは早くても5年先でしょう。しかもその間に医療や診断技術の水準向上や医療行政の変化などに、医薬品企業は翻弄されるかもしれません。こうしたリスクに対応するためには、やはり経営規模と体力が必要であり、リスクを分散するためにもグローバル展開が重要といえるのではないでしょうか。