早期胃癌の有無を調べる方法

問診で早期の胃癌を予測することはほとんど不可能です。ただし、家族に胃癌になった人がいる場合や、ピロリ菌の感染が疑われる慢性腎炎や潰瘍の既往があって除菌治療を受けていない場合には、リスクが高いことが予想されます。上腹部の症状や倦怠感、食欲不振、貧血などの症状が続いて悪化しているときは、悪性疾患について注意します。

血液検査からは、貧血の有無、栄養状態、肝機能以上の有無、腫瘍マーカーなどを調べて全身状態を評価します。偶然行った肝機能検査で転移に伴う肝機能異常が見つかることもあります。CEACA19-9などの腫瘍マーカーは胃癌によって異常を呈しやすいのですが、早期発見にはあまり役立たないと考えられています。検診のときに行われることもあるペプシノーゲン検査は胃粘膜の萎縮の程度を反映する検査なので、胃癌リスクが高いかどうかのふるい分けをする際には有用です。

結局、胃癌の診断には胃を直接調べる必要があり、通常は胃レントゲンか内視鏡検査を行います。健康診断ではレントゲン検査を受けることが多いようですが、病院で受診して胃癌の検査を行うときには内視鏡検査を進められることが多いと思います。がんの確定診は内視鏡で採取したがん組織の病理診断で行います。胃癌の広がりや深さ、リンパ節転移について調べるには、内視鏡の先端に超音波装置の付いた超音波内視鏡が威力を発揮します。

このほか、転移の有無を調べる際には、超音波やCTで肝臓などの上腹部の臓器を検査します。腹水の有無も極めて重要な所見となります。

胃癌の治療の際にまず知っておく必要があるのは、進行の度合いです。胃癌の進行度は「胃癌取扱い規約」によって定められています。つまり、主に癌の大きさとリンパ節転移の程度によって、ステージIAからステージIVまでの計6段階に分類されているわけです。なお、T1の場合は、リンパ節転移の有無にかかわらず「早期胃癌」と呼ばれます。遠隔転移、腹膜播種その他がある場合は、それだけでステージIVとなります。

このように病気を分けるのは、それぞれの生存率が異なるためです。国立がんセンターの成績では、5年生存率が、IAで92%、IBで90%、IIで76%、IIIAで59%、IIIBで37%、IVで8%となっています。この病期分類の段階によって、生存率が大きく左右されていることがわかります。