フコダインの抗腫瘍作用と免疫賦活作用:カゼインの重合物質『FP-10』


フコダインというのは、海藻に含まれる栄養素の一つで、硫酸化多糖類(硫酸化フコースポリマー)の一種です。これは海藻の表面を覆っている「ぬめり」の主成分であり、モズクにとくに多いようですが、ワカメ、コンブなどにも含まれます。フコダインで注目されているのは、抗腫瘍作用や免疫賦活作用についてです。

ピロリ菌との関係では、ピロリ菌の胃粘膜への接着を阻害する働きが示されています。通常、ピロリ菌は胃粘膜上皮の細胞表面にある糖類を認識して定着しますが、フコダインも類似した部分があるため、ピロリ菌がフコダインと結合して胃粘膜との接着を阻害するというものです。これは、ピロリ菌の抑制につながるかもしれませんが、これだけで除菌することは難しいと思われます。また、動物実験の段階で、フコダインの癌抑制効果を期待する報告もありますが、ヒトで確かめられたものはまだないようです。

 

カゼインの重合物質であるFP-10という乳蛋白に由来する物質にもピロリ菌の胃粘膜への接着を抑制する作用があることがわかり、研究されています。ヒトに投与すると、胃内のピロリ菌が減少するという報告もあります。

また、まだ予備的な成績しかありませんが、梅肉エキスの飲用でも胃のピロリ菌の減少効果を示唆するものがあり、今後こういった食品や食品由来の物質で臨床効果が期待できることが明らかになれば、除菌治療がうまくいかない例などでの代替手段になるかもしれません。