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レセプト電算化のメリット


審査支払機関経由が保険者と保険医療機関の直接決済より効率的だというのは、紙レセプトを前提にした結論です。レセプトの電子化は直接決済への道を開く可能性もありますが、審査支払制度の円滑な運営に不可欠です。お隣の韓国はレセプトの電子化が日本とは比較にならないほど進歩していますが、直接決済ではなく審査支払機関による審査を継続させています。

レセプト電算化は70年代後半に「レインボー計画」として始まり、98年には厚生労働省が保有する医療機関マスターも取り組んだシステムにリニューアルされました。しかし、加入する医療機関は少なく、取扱件数は全体の数%にとどまっています。普及しない理由はいくつか指摘されていますが、情報処理技術に立ち入った話になるので省略し、ここでは電算化のメリットをあげておきます。

メリットの第一は、人海戦術では不可避的であった「見落とし」が解消され、審査制度が向上することです。

第二は、医療費データベースの作成が紙レセプトに比べてはるかに容易なことです。診療報酬の改定は紙レセプトを抽出した『社会医療診療行為別調査』結果を基礎数値として行われてきましたが、電子レセプトが普及すれば、全数調査により改定が実施できます。また、医療費データベースは日本の医療経済研究の飛躍的な向上をもたらすと考えられています。

第三は、電子レセプトが医療費清算事務の効率化だけではなく、医療の安全性も考慮したシステムに設計されていることです。支払基金の医薬品マスターには、医薬品の価格情報はもとより、医薬品添付文書情報をはじめ、厚生労働省、製薬メーカーが提供する安全性情報、副作用情報などが蓄積されています。このような情報を有しているので、多剤投与における配合禁忌に対して警告を発することが可能となっています。このようなシステムは早急に普及されるべきです。