二成分制御系について:ネズミチフス菌のPhoQ蛋白とPhoP蛋白からなる制御系など

細菌はその感染・発症過程において、厳しい環境条件とその変化に遭遇します。宿主側の生体防御機構そのものが寄生体にとっては最大の免疫環境です。細菌の持つ病原性因子は生体防御気功に対抗し、その危険環境から逃れるためのいわば菌側の武器です。そのためには菌は環境にうまく適応し、病原性の発現も環境条件の変化に合うように適切に調節されなければなりません。

ニ成分制御系と呼ばれる一群の調節系は、外界因子を感知するアンテナ役をするセンサー領域とそれを伝達するトランスミッター領域の二領域からなる蛋白分子と、その情報の伝達を受け取るレシーバー領域と実際に直接調節に関与するレギュレーター領域の二領域からなる蛋白分子の、二成分からなっています。多くの場合、外界因子の感知から調節機能の発言に至る情報の伝達はリン酸化によって行われます。センサー/トランスミッター蛋白分子は外界因子を感知するヒスチジンキナーゼ活性を示し、その蛋白のヒスチジン残基を自己リン酸化することにより活性化します。活性化により発言したキナーゼ活性により、レシーバー/レギュレーター蛋白分子のアスパラ銀酸残基がリン酸化されて活性化される結果、レギュレーターとしての機能が発現し、通常複数の、共役的に発現する特定遺伝子のプロモーター領域に結合して、正または負の調節機能を発揮することになります。

ニ成分制御系の例の中には、最近の病原性に関係するものもあります。ネズミチフス菌のPhoQ蛋白とPhoP蛋白からなる制御系も二成分制御系の一つで、マクロファージに植菌され、ファゴソーム膜に取り囲まれた状態で酸性蜷田亜ファゴソーム内のpHを、ネズミチフス菌の外膜にあるPhoQ蛋白のN末端のセンサー領域が感知し、レシーバー/レギュレーターであるPhoP蛋白が活性化されて、その支配下にある遺伝子が発現し、その結果、賛成された蛋白の作用によって、菌はマクロファージの塩基性蛋白(デフェンシンなど)による殺菌能から逃れることになります。この仕組みは、マクロファージの酸素非依存性殺菌に抵抗する最も基本的な仕組みの一つなのかもしれません。