高齢者専用制度は必要なのか

医療保険において高齢者を別扱いとしているのは日本とアメリカの2国です。もっとも、アメリカは高齢者だけに医療保険を設けているの電本とは事情が全く異なります。高齢者専用の精度が本当に必要なのかという問題提起をしてみたいと思います。

老人医療には、一般とは別に老人点数表が用意されています。老人点表が設定された目的は「老人の心身の特性に応じた適切な医療を確保」するためですが、老人点数票の項目は少なく、老人も一般の点数票により算定されています。これは老人だけの特別な医療行為が大変少なく、したがって特別扱いする必要性が乏しいことを物語るものと考えられます。老人医療と一般医療を隔ててているのは医療上の必要性ではなく、自己負担金だけです。自己負担金だけの違いなら別制度を設ける必要はないのではない気もしますがいかかでしょう。

基本的には以上のように考えますが高齢者医療の即時廃止は現実的ではありません。

高齢者医療制度改革の議論は、老人保健搬出金負担をめぐる利害得失から問題提起され、それに沿って一時的な妥協が繰り返されてきました。搬出金問題を軽視するものではありませんが、現在の高齢者医療制度が保険者の基本的3権限を分断している状態を正すことが、それ以上に重要です。その方法は2つで、1つは老人医療における首長の権限関与を保険者に委譲することであり、もう1つは保険者の権限を首長に委譲することです。前者が突抜け型、後者が単独型に近いですが、保険者機能を重視する観点から後者が適していると考えます。

ただし、厚労省とは異なった方法でのリスク調整が必要と考えます。厚労省案は全制度の総合的なリスク調整としていますが、所得補足率が被用者と自営業者では異なる(いわゆるクロヨン、トーゴーサンピン)から被用者保険と国保は区分されるべきです。したがって、リスク調整は被用者保険者間、国保保険者間に限定して実施すべきです。