日本最大の政治団体『日本医師会』:非力ではあるものの貴重な存在の保険者団体

日本の保険医療費の改定に多大な影響を及ぼしているのが診療者団体と保険者団体です。中医協には各団体の大協委員が選任されており活発な議論を展開するほか、いわゆる医系議員などの族議員などに働きかけ、自らに有利な決定を得るためのレントシーキング活動を展開しているのは周知のとおりです。

診療者団体には日本医師会日本歯科医師会日本薬剤師会などがあり、最も強力なのは日本医師会です。日本医師会は医学医術の進行をうたった学術団体を称していますが、政治献金の額でみると日本最大の政治団体です。日本医師会がそのパワーを世間に誇示したのは、1971年夏の保険医総辞退事件でした。保険医総辞退事件そのものが暴挙であり、国民には支持されず勢力の衰退を招く契機となります。しかし依然として力は強く、医療政策、特に診療報酬改定には多大な影響力を行使しています。

日本医師会の主張は日本医療年鑑、日医ニュースなどの出版物から伺うことができます。また近年ではシンクタンクを創設し、独自の調査研究から『21世紀グランドデザイン』を公表し政策提言するなど、政策科学にも力を注いでいる点が注目されます。

保険者団体には健康保険組合連合会国民健康保険中央会、共済組合連盟、船員保険会があります。

保険者団体は診療者団体に比べて政治的には非力です。また、老人保健搬出金の配分を巡って健康保険組合連合会を筆頭とする被用者保険グループと国保グループが対立するなど、結束が乱れることがあります。健康保険組合連合会と旧日経連、連合の三者共闘の活動が注目されています。

保険者団体の主張は各団体の機関誌に乗せられています。健康保険組合連合会の健康保険、健保ニュースの2誌、国民健康保険中央会の国保ニュースが目立った存在です。日本医師会のようにシンクタンクは持っていませんが、海外の医療保険制度、医療費対策鵜の調査研究が随時行われ、貴重な情報を提供しています。