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子供のクラミジア感染:妊婦のトラコーマクラミジア感染症、オウム病


 現在3種のクラミジア属が小児に感染症を起こすことが知られている。トラコーマクラミジアは新生児や幼若乳児に結膜炎や無熱性肺炎を起こす。オウム病クラミジアは年長児にオウム病を起こす。肺炎クラミジアは上気道炎、中耳炎、肺炎の原因となるが、特徴的な臨床像に欠ける。オウム病も比較的まれな疾患で、小児科領域でもっともよくみられるのはトラコーマクラミジア感染症である。

 新生児・乳児のクラミジア感染のほとんどは産道感染である。クラミジアは、最近STD(性行為により伝播される感染症)としてその頻度が増加しており、妊婦のトラコーマクラミジア感染も30%近くとの報告もみられる。感染妊婦より出生した新生児の半分以上に母子感染を認め、20~50%に結膜炎、3~20%に肺炎を発病する。したがって、感染妊婦への治療が行われなければ決してまれな疾患ではない。


トラコーマクラミジア感染症

 新生児の結膜炎は出生後3~13日で発症する。結膜の充血・浮腫を認める。エリスロマイシンなどの点眼薬を2週間ほど用いる。鼻腔から咽頭感染をともなう例が多く、2週間のエリスロマイシン内服が望ましい。

 肺炎の大部分は生後1力ゝ月前後で、6か月未満の乳児である。多くは無熱性の遷延する咳嗽があり、全身状態は比較的良好であるが呼吸困難のあることも多い。嘔吐などもよくみられ、体重増加不良をきたすこともある。喘鳴やラ音を聴くこともある。胸部X線写真では両側性のびまん性の間質性、または斑状の肺浸潤像や過膨張を認めることが多い。好酸球の増加や咽頭ぬぐい液からの抗原検出、特異的lgA抗体、 IgM抗体の上昇で診断できる。エリスロマイシンやクラリスロマイシンを2週間以上経口投与する。両親の治療が重要である。

オウム病クラミジア感染症

 オウム病の典型像は肺炎であるが、感冒程度のものから敗血症を思わせる重症例までさまざまである。年長児にみられ、鳥類から感染する。発熱、頭痛、全身倦怠、血痰などもみられる。診断・治療はトラコーマクラミジアに準じる。

産婦人科よりの情報、鳥類との接触歴を参考にし、感染源対策を担当医とともにたてる。

○特にトラコーマクラミジア感染が母子感染で起っている場合は、両親とも治療を受けることが望ましい。母からは比較的抗原検出が容易であるが、父の場合は検出されにくいことが多い。 STDであることから夫婦間のもめごとになるケースもあり、充分な配慮が必要である。