マイコプラズマ感染症:エリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質


肺炎マイコプラズマによる感染症で、上気道から下気道までの呼吸器感染症が代表的である。飛沫感染する。その最も多い病像は肺炎であり、その多くは軽症である。しかし、重症例の報告が知られており、 DICの合併、髄膜炎、心筋炎などを起こしたり死亡例もある。

 マイコプラズマ感染症例のほとんどは外来での治療が可能であり、重症例や細菌性肺炎の併発例などで全身管理の必要な者が入院の対象となる。


1……診断

 症状としては発熱・咳嗽が主で、時に胸痛や咳嗽にともなう嘔吐がみられる。マイコプラズマ肺炎は比較的年長児に多い肺炎で、集団生活により流行することがあり、近年まで4年に一度、オリンピックの年に流行することが多かったようである。学童で、流行期に4日以上の発熱と激しい咳嗽が続くが比較的元気な例や、近医のペニシリン系・セフェム系の抗生剤が無効な例などが典型的な臨床経過である。聴診上は湿性・乾性ラ音が聴かれる。時に皮膚症状として発疹がみられる。

 胸部X線写真では、無気肺や比較的限局した肺炎像が多い。わずかなものも含めれば胸水貯溜例も意外と多く認められる。X線写真の所見に比べて臨床症状が軽い傾向がある。

 末梢血では、白血球は増多することもあるが平常値のことの方が多く、CRPも低値のことが多い。赤沈は亢進し、寒冷凝集素価の上昇がみられる。マイコプラズマ抗体価の上昇があれば診断は確定的である。


2……治療

 エリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質の経口投与を5~7日間行うことが多い。経口が不可能な例には点滴静注も行われるが、例外的である。また、ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生物質も有効であるが、歯・骨への悪影響があるので、8歳未満の小児や妊婦・授乳婦への投与は避けなければならない。

 鎮咳剤や去痰剤なども併用される。

○咳嗽や発熱にともなう食欲低下、水分摂取不良、服薬の確実性などに注意する。薬剤師・医師とともに服薬指導に参加する。

○肺炎というと一般には細菌性肺炎のイメージがあり、まして胸に水が貯まっている(胸水の存在)というと家族も本人も非常に心配することが多い。担当医とともに、マイコプラズマ肺炎であればめったに重症化する例はなく、軽快しやすいことを理解させ、不安を取り除くこと。

○呼吸状態やSpo2もチェックし、重症例や合併症を見逃さないようにする。

○同胞がいる場合は、1~3週以内に患児と同症状を呈した場合はマイコプラズマ感染の可能性があり、医療機関を受診するよう指導する。