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重症筋無力症の診断と治療について



 筋を動かすことにより筋力が低下し、筋を休めることにより筋力が少なくとも部分的に回復するという特徴的な症状を示す疾患である。神経筋接合部

 (末梢神経のシグナルが筋肉に伝えられるところ)のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が何らかの理由で産生され、受容体が減少するため、神経のシグナルが筋肉に伝えられないことによる。横紋筋(随意筋)のどこでも症状が起こりうるが、小児では眼筋に限局するタイプが多い。また、成人期に比べて罹患率は低く、治癒率も高い。


1……診断

1)症状の経過と分布

 午後に症状が強くなる病歴から易疲労性が確認される。眼筋が侵されやすい。変動する眼瞼下垂、斜視などがある。全身型ではクライシス(呼吸筋などが侵され重篤になる)を起こしやすい。

2)テンシロンテスト

 テンシロン(アンチレタス)を静注して一時的に筋力が回復すれば確定的である。

3)筋電図

 反復刺激に対する筋反応の低下がみられる。


2……治療

1)コリンエステラーゼ阻害薬

 メスチノンやミテラーゼなどが使用される。テンシロンテストで反応をみながら、症状が改善するまで増量する。

2)副腎皮質ステロイド

 コリンエステラーゼ阻害薬で寛解か得られない場合に考慮する。プレドニゾロンなどの経口剤のはカハメチルプレドニンの大量投与が試みられる。

3)その他の治療

 免疫抑制剤の投与、血漿交換などが試みられる。思春期以降で胸腺腫を合併する場合には胸腺摘出が有効である。


入院時の観察ポイント

O眼筋などの筋力の日内変動、午睡後の変化を観察する。治療開始時は特に大切。


日常生活の指導

○感染などのストレスの回避、適切な休息と食事(カリウムの多い食物)の指導。

○ストレスを契機にクライシスが起こり、気管切開を必要とすることがある。


服薬に関する看護ポイント

 コリンエステラーゼ阻害剤与薬中は、唾液過多、腹痛、徐脈などの副作用に注意。過剰投与でも筋力低下がくる。抗生物質、抗けいれん剤など他の薬物によっても増悪することがある。