プラダー・ウィリ症候群:小児期と思春期の治療

 低緊張、肥満、小さな手足、知的障害、性腺機能低下症をおもな症状とする隣接遺伝子症候群(15番染色体短腕の微細な欠失)。乳児期早期は低緊張が著しく呼吸障害や哺乳困難がみられ、しばしば経管栄養を必要とする。しかし、低緊張が目立だなくなるころ(幼児期)から食欲が急に増大し、運動量が少ないこともあり肥満となる。軽度から中等度の知的障害かおり、摂食行動の異常を合併することから、食事指導は困難をともなう。染色体の同じ部位の異常によるアンジェルマン症候群と共通の身体症状があるので、鑑別が必要。発生頻度は15000人に1人と推定される。

1……診断

1)身体所見の評価

 ①身長は生下時はほぼ標準であるが、次第に低身長が明らかとなる。
 ②肥満は生後6か月から6歳の問に開始。異常な食欲による。
 ③顔貌:アーモンド様眼瞼裂、茶色がかった髪、虹彩、斜視、薄い上口唇。
 ④手足:小さい手および足。
 ⑤生殖器:小陰茎、停留睾丸。

2)微細な染色体構造異常(15 q 11-13)の検出

 FISH法で約70%に異常が確認される。

2……治療

1)新生児から乳児期

 哺乳困難に対する経管栄養を含めた適切な栄養指導。

2)小児期

 過食・肥満に対する栄養指導、運動療法、手先の稚拙性に対する作業療法

 糖尿病の発見と治療。

3)思春期

 肥満による突然死(睡眠時無呼吸など)の予防。

 社会参加のための教育。

診断時の看護ポイント

○病態や合併症についてわかりやすく説明する。特に発育発達についての理解を促す。

○親の会、療育機関などの紹介。


栄養指導のポイント

 肥満になる前から行う。

 継続的な栄養指導には他の家族、学校の理解と協力が必須。

 食事制限からくる行動心理的問題に対する援助。