食事制限がついている薬剤

食事に気をつけたい薬剤もある

 

 水、ぬるま湯、緑茶やコーヒー、ジュース、炭酸飲料そしてビタミン類と、薬剤との関係を見てきましたが、食事の内容と薬剤の関係にも、薬の吸収が増えたり、逆に薬の吸収が悪くなるようなことはよくあります。

 たとえば、パーキンソン病薬のレボドパ(商品名ドパストン、ドパソール、ドパール)は、蛋白質を多く含む食事をとった後には吸収がよくないことが知られています。

 したがって、レボドパでの治療は、「食事制限」も考えたほうがよさそうです。

 抗ガン薬のメルファラン(商品名アルケラン)は、食後に飲むと、空腹時と比べて薬の吸収が約半分にまで低下すると言われています。特に、蛋白質の多い食事をとった後に飲むと薬の吸収が低下するので気をつけなければなりません。だから、この薬剤は、空腹時に飲むようにと薬剤師が服薬指導をしています。

 脂っこい食事をとっだ後、抗ぜんそく薬のテオフィリンの徐放性薬剤(商品名テオドール)を飲むと、循環血液中の薬の濃度が上昇し、気分が悪くなったりするなどの副作用がでることがあると報告されています。これは、脂っこい食事によって、分泌の高まった胆汁が薬剤を速く溶かしたと考えられています。

 また、今の若者は、コンビニエンスストアなどでファーストフードを買って、食事をすませることが多いようです。しかし、かたよった食事を長期にわたって続けていると、肝臓の薬物代謝酵素(詳しくは5章参照)の活性を変化させ、薬物動態に影響がでてきます。

 一例ですが、低炭水化物、低蛋白質性の食事を続けていると、抗ぜんそく薬のテオフィリン

 (商品名テオドール、テオロング、スロービット、ユニフィル、ユニコンなど)を飲んでも、すぐに肝臓で薬が代謝され、効き目が低くなるのではないかと言われています。

 体内での薬の動きにおよぼす食事の影響以外に、薬の作用そのものに食事の成分が影響することも知られています。