薬の副作用は、どんな時に起きるか

 薬の副作用は、どんな時に起きるか、なぜ起きるか。

 このことは、古くて新しい難しい問題です。昔から問題になっていますし、新しい薬剤の開発によって、この問題は複雑になっています。さらに、いまだに根本的な解決策が見あたらないということです。

 だからと言って、放っておくわけにはいきません。次に、薬と副作用について、学んでいきましょう。

 まず、副作用の起きる要因を分析すると、次のようなことが考えられます。

1 薬そのものによる

2 薬剤の使い方による。誤って薬剤を大量に飲む(過量服用)ことによる

3 遺伝的要因による。代謝酵素の欠損

4 体質による。薬剤アレルギー

5 その時の病状による

6 2種類以上の薬剤の飲み合わせの「相互作用」による

 このような要因が、一般的に薬の副作用を起こす原因になっています。

 しかも、今一番大事な問題は、医学、薬学の知識を持っていない一般の人でも、特に重大な薬の副作用の症状を、きちんと知っておいてもらわなければならないということです。

 副作用にも、重症から軽症まであり、起こった時に正しく対処していただくためです。『医療薬剤学』という、私たちの専門分野のテキストには、次のように書かれています。

*副作用がでたら、救急車を呼ばなければならないケース

 次に述べるような症状がでたら、命にかかわりますので、救急車を呼び、すぐに医療機関で受診してください。

1 じんましんと同時に咳がでる=ショック症状

ゼーゼーといって呼吸し、急に呼吸困難となる=ぜんそく、ショックの一歩手前の症状顔面が蒼白になり、冷や汗をかいてぐったりする=ショック症状けいれん=重症の中毒症状。命が危ない場合がある失神、意識不明、昏睡=インスリン、経口の糖尿病薬の効きすぎによる低血糖ショック症状が有名。重症の不整脈、ショック症状、けいれんなどでも意識不明に陥る

6 真つ赤な血やコーヒー色の固まりを吐く=食道、田阿、十二指腸からの出血

7 真つ赤な便=大腸、直腸からの出血

8赤黒い便、真つ黒な便=上部の消化管(胃、十二指腸)からの出血

9 急激で強烈に腹や背中が痛む=胃、腸に潰瘍などで穴があいた症状

 このように、生命に危険をおよぼす薬の副作用があります。確率的には、だいたい何万分の一ぐらいです。しかし、当の本人にとっては一大事です。本人が気づかなくても、家族や周囲の人がおかしいと思ったら、即、病院へ連れて行って受診してください。

 医療においては、先手必勝です。(ただし、診断が間違ってないこと!)

 処置が早ければ早いほど、症状は軽くてすみ、予後の回復期間も短くてすみます。

*必ず病院で受診すべきヶ-ス

1 喉の痛み、発熱、寒気=抗ガン薬などの副作用で、白血球が減少している可能性がある

2 皮下出血、青いアザ、歯ぐきからの出血=ワルファリン(商品名ワーファリン)などの抗
  血栓薬が効きすぎ、循環血液中の血液凝固作用が異常に低下した可能性がある

3 尿がぜんぜんでない=アミノグリコシド系の抗生物質による腎臓の障害など。尿路結石
  考えられる


4 日の白い部分が黄色く変色している、尿が黒っぽい、尿の泡まで黄色い=黄疸。肝炎が疑

  われる。すぐに病院に行ったほうが賢明

*できるだけ早く医師に報告するべきケース

 前述した薬の副作用の症状以外に、軽い症状として、皮膚のかゆみ、発疹、関節炎なども、薬によるアレルギーが疑われます。

 薬剤を飲むことをやめれば副作用は消えることが多いのですが、悪化したり、長期化、慢性化したりすることもあるので、必ず、医師、薬剤師に報告してください。

 このほかの、軽い副作用でも、そのまま放置しておくと、重症になる可能性があります。鎮痛薬を飲んでいて腹痛がしたり、足がむくんできたりするような場合です。

*あまり心配する必要はないが、ひどくなった時や長びくケース

 初めて降圧薬、狭心症薬を飲んだ場合は、頭痛が現れることがあります。       -

 これらは、血管を開くことによって血圧を下げる薬です。しかし、脳の血管が開くと血液の流れが増え、一時的に頭痛がでます。これらの薬では当然の作用といえます。一般には、徐々に体が薬に慣れ、そのうち頭痛を感じなくなります。

 頭痛が長びく場合、頭痛が強い場合は医師、薬剤師に相談してください。薬剤の投与量を減らしたり、他の薬剤に変更してもらったほうがよいでしょう。