遺伝子診断でわかる自分の体質

 

 「自分にはどのような酵素が欠損しているか」ということを知りたければ、遺伝子診断をしている医療機関に行き、診断をしてもらえばすぐにわかります。

 遺伝子診断で自分のタイプを知っておけば、診察の際に医師にその由告げ、薬剤をもらう時にそのことを薬剤師にも告げます。そうすれば、自分の持っている代謝酵素で代謝されるタイプの薬剤が処方され、副作用を回避することができます。

体質と薬剤の取り合わせが原因で起こる副作用

 次に、ある薬剤を飲むと、決まって副作用がでる人がいます。

 これが、「薬剤アレルギー」と呼ばれるものです。

 アレルギーというのは、原因となる物質(抗原)が体内に入った時に起こる、免疫反応(中和しようとする作用)で、体にとって好ましくない反応の総称です。

 薬剤アレルギーの体質を持つ人にとっては、薬はアレルゲン(抗原)になります。体内に入った薬が、蛋白質などと結合すると、体にとっての異物すなわち抗原とみなされ、抗体が作られます。

 次に同じ薬が吸収されて体内に入ってきた時、「抗原抗体反応」と呼ばれる特異な反応を起こすことがあります。それが「薬剤アレルギー」、「薬剤過敏症」と呼ばれるものです。

 薬剤アレルギーの典型例は、ペニシリンのショック症状です。そう頻繁には見られません。しかし、アレルギーを起こす代表的な薬剤です。抗生物質や解熱・鎮痛・消炎薬などは、アレルギーを起こしやすい薬剤と言えます。アスピリンぜんそくなども知られています。

 注射で薬剤を投与した時、突然、けいれんなどのショック症状を起こすタイプのアレルギー反応は、非常に危険です。

 実は、私はヨード過敏症のアレルギー因子を持っています。

 30歳の頃、胃腸の検査を行うため、ヨード系の造影剤を前日に投与してもらったら、夜になって体中がむずがゆくなりました。

 遺伝子診断が進めば、アレルギー因子の有無がわかるようになります。しかし、まだ少し先のことです。

 薬剤アレルギーの多くは、長期にわたって薬剤を飲んでいると、湿疹、かゆみ、めまい、耳鳴りといった、軽症の副作用からはじまります。

 このような軽症の段階で気づくのは、慣れないと難しいでしょう。

 「薬剤を飲んだから、自分の病気はもう治った」と思わないでください。薬で病気がカゲをひそめている、と考えてください。

 そうすれば、おのずと自分の体調に注意が向くはずです。そして、体の異常に気づいたら、その時点で、薬剤を飲むのを中止してください。

 薬の副作用が原因のアレルギーであればおさまります。また、薬の副作用が原因であったらそのまま放っておいてはいけません。医師、薬剤師に相談し、他の薬剤に代えてもらいましょ

 もう一つ大切なことは、副作用が軽症であっても、アレルギーをひき起こした薬剤を病院に持っていくか、名前を紙に書きとめ、次に医師にかかる時、必ず、医師か、薬剤師に告げこ
とが大切です。

 薬剤アレルギーは、同じ体質の人にも起こりやすいので、自分だけでなく、家族にアレルギーがある場合にも、医師、薬剤師に知らせましょう。

 薬剤アレルギーの原因となる薬剤は、確かに数多くあります。しかし、それ以上に現れる症状は複雑多岐にわたります。あまりにも多くて書ききれません。『薬剤情報提供ハンドブック』などの専門書をご覧ください。