胃腸の副作用

 

 薬剤を飲んだ後、吐いたり、むかついたりするのは、胃腸に対する副作用です。これは胃、小腸などの粘膜が高濃度の薬にさらされた時に起こります。胃腸の副作用を減らす工夫の一つは、徐々に薬が溶けだす「徐放性薬剤」を使うことです。

 また、胃に副作用を起こす薬剤は、胃では溶けず、小腸で溶ける「腸溶性薬剤」にするという工夫がなされています。ですから、腸溶性の錠剤を飲む時は、絶対に口のなかで錠剤を噛んで割ってはいけません。

 

*循環器系の副作用

 薬剤を飲んだ後、心臓がドキドキするなど、循環器糸に副作用がでることがあります。これは消化管から薬が吸収されて循環血液中に入り、心臓に作用することによって起こります。

 循環血液中の薬の濃度が高濃度にまで上がると、このような副作用がでる要因の一つになります。

 こんな時は、薬剤の投与量を減らし、循環血液中の薬の濃度が高くならない工夫をすれば、このような副作用を減らすことができます。

 

*中枢系の副作用

 薬剤を飲んだ後、頭がボーツとする、眠気を感じるなどの中枢系の副作用は、薬が吸収されて循環血液中に入り、心臓のポンプの働きで薬が脳(中枢)へ送られた時に起こります。胃腸の副作用よりも、遅れて現れるのが一般的です。

 以上に述べた副作用は、一過性の副作用と言われるもので、薬剤を飲んだ時にだけに起こるものです。薬剤を飲むのをやめれば、これらの副作用は消えます。

 極端な言い方ですが、一過性の副作用があるということは、薬が効いて裏返しでもあります。


*胆石ができる

 しかし、問題なのは、回復の困難な副作用です。

 たとえば、脂っこい食事を毎日とっている人(もちろん遺伝的な要因もある)は、胆石の人が多いと言われます。胆石は、肝臓から胆汁へ排出されたコレステロールが、胆汁で溶けきれず、結晶になるために起こる病気です。胆石の治療薬を飲めば治るかというと、そうではありません。原因となっている、脂っこい食事をやめなければなりません。


*腎臓結石ができる

 腎臓結石は、ホウレンソウなどに含まれているシュウ酸が、尿中に結晶化して起こったりします。また、ビタミンCを毎日大量に摂取すると、ビタミンCが尿中で結晶化し、腎臓結石が起こることもあります。エイズ薬のリトナビル(商品名ノービア)を飲む場合は、1日に4lの水を飲んで腎臓結石を防止する、という注意が与えられています。

 薬剤を飲みながら真夏の炎天下で働き、水分補給を怠ると腎臓結石ができやすくなります。

 体内での薬の動きを考えれば、薬の副作用の起こる原因も少しはわかるので、自分の体をいたわりながら、薬剤を飲んで病気を治す、という心がけをくれぐれも怠らないようにしてください。

◆「肝臓」の代謝酵素の働きのちがいで、副作用がでる人と、でない人がいる。
◆ある薬剤を飲むと、決まって副作用のでる「薬剤アレルギー」の人がいる。
◆体内での薬の動きを考えて、薬が効きやすい環境を自分でつくろう。

『薬の聞く人、効かない人』高田寛治著より