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気導聴力検査

 

 気導聴力検査は、空気中を伝わって、外耳道、鼓膜、中耳を経て内耳に伝わってくる音がどのくらいきこえるが検査するものである。われわれが日常きいているのはこのルートの音である。気導レシーバを耳にあてて音をきく。気導レシーバから出る音をゼローデシペルから徐々に五デシベル目盛りで増大させ、きこえた強さが閾値である。きこえたら、手を上げたり、ボタンを押して(電灯をつけて)合図してもらう。○が右耳、×が左耳の聴力を示す。これは国際的に決められている。各周波数で検査をおこない、○あるいは×を線で結ぶと一目瞭然となる。周囲の騒音、レシーバの耳への密着度、音がきこえたときのボタンの押ー方のタイミングが大事である。なれていない高齢者や子供では練習が必要となることがある。 片方の耳に音を入れても、ある程度音が強くなると、骨を伝わって、音は反対側の耳に入ってしまう(五ロデシベル程度減衰して反対の耳に入る)。したがって測定しようとしている耳のきこえが非常に悪く、反対側の耳が正常なときには、このことを念頭において、正常な耳に雑音をきかせて、検査している耳に与えた音が反対側へ伝播することを遮断する。これを遮蔽(マスキング)という。マスキングを怠ると、「きこえない」耳を「きこえる」と誤って判定することになる。

 

 闘値二〇デシベル以内は生活に不自由はなく、正常聴力と考えている。人は一〇~二〇歳代が最も鋭敏な聴覚をもち、デシベル値がマイナスになることもある(マイナス一〇デシベルできこえるということは、多くの人がようやくきこえる音と比較して音圧で三分の一程度でもきこえることを示す)。聴力を正確に測定すると、三〇歳の後半から聴鴬が低下し、高い音からきこえにくくなってくる。オージオメータの上では八〇〇〇ヘルツの音

の検査値が大きくなり、年齢が進むとカーフは右肩下がりになってくる。鼓膜や耳小骨の働

きが失われると、約五〇~六〇デシベルの聴力低下となる。

 ③ 骨導聴力検査-伝音性難聴と感音性難聴の区別

 音は、空気を伝わらないで内耳に伝わることも可能である。頭蓋骨に音が伝わり、それが

内耳に伝わるのである。これを骨導という。耳をふさいで音叉を頭にのせると、両耳によくきこえる。右耳のうしろの硬い骨(乳様突起)の上におくと、右耳にきこえるのは当然であるが、左耳にもきこえる。骨を伝わる音は、音叉を右耳の乳様突起の上においてもほとんど

耳科学-難聴に挑む  鈴木涼一、小林武夫著より