慢性(化膿性)中耳炎

 

 急性中耳炎が慢性化すると、鼓膜に孔があきっぱなしになり、音を伝える耳小骨も破壊されるなどして、難聴となる。とくに悪性中耳炎の名のある「真珠腫性中耳炎」の場含は、骨の破壊がひどく、内耳や脳にまで病変が及ぶことがある。

 

 なぜ急性中耳炎が慢性化するかについては議論が多いところである。近年は、抗生物質が使えるようになったし、人々の知識も向上し、栄養もよくなって、一般に体力がついて抵抗力が増したのであろうか、わが国はじめ先進諸国では慢性中耳炎は明らがに大変減少している。アメリカで今日でも中耳炎が多いのは、先住民族イヌイットの人たちである。

 

 鼓膜に孔があいたり、耳小骨連鎖が断絶したり、固くなったりした中耳は、手術をして正常の状態に近くして、きこえを戻すことができる。これが前述の鼓室形成術で、近代耳料学の華々しい成果といえる。