薬剤によっておきる難聴の防止

 

 

 アミノグリコシド抗生物質ストレプトマイシン、カナマイシンなど)の使用を控えることは常識であるが、もし使用する場合は厳重な聴覚管理をおこなわなければならない。薬剤による難聴には、とくに感受性が高い体質を遺伝している家系があることは前述した。

 

C 遺伝性難聴への対策

 

 難聴のうちのあるものは遺伝することがわかっている。近親婚を避ける必要がある。最近は、遺伝相談室をもっている施設がある。また、近年の遺伝子解析の進歩の結果、難聴に関係する遺伝子の座位がつきとめられつつある。この結果、遺伝子治療への道がひらけてきた。遺伝子の確認が可能になると、遺伝カウンセリングもやりやすくなり、乳幼児に人工内耳の植え込みをおこなう道も間ける。遺伝子移入治療がおこなわれることになるであろう。

 

 

d 小児難聴の早期発見

 

 過去三〇年間で、幼小児難聴の発見方法が大きく進歩した。七口歳児でもかなりな精度で検査が可能である。現在、日本では三歳児検診の制度がおこなわれている。三歳になると通知が来て小児の身体検査がおこなわれる。難聴は家庭では三歳までに気づかれることがほとんどであるが、三歳児検診ではじめて発見されることもある。聴能訓練は生後五、六ヵ月から間始すると、言語発達が良好であることがわかっている。三歳児検診は現在、小児の難聴を検出する最後の重要なチェック機構である。

 

 

e 啓蒙活動

 

 耳垢の量が多いと外耳道をふさぐことがあり、伝音性難聴をつくる。放置すると外耳炎を