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ウルソデオキシコール酸(UDCA)

 

 

 C型慢性肝炎の治療には,インターフェロン(IFN)が抗ウイルス作用を有するfirst choice の治療法であるのは誰もが認めるところであるが,現実的にはIFNにより治癒できない症例の方が多く,また副作用の点から使用できなかったり,中止を余儀なくされる症例もある.このような症例のトランスアミナーゼ値を低下させる作用は強カミノファーゲンCが最も強いが,注射薬であるという難点がある.その点,ウルソデオキシコール酸(UDCA)は副作用のほとんどみられない経口薬であり,国内外の多数の二重盲検試験によりC型慢性肝炎での有効性が認められている唯一の経目薬である.

 

 UDCAは40年前に利胆薬として登場した薬物であるが,その後コレステロール胆石溶解薬として広く胆石治療に用いられ,ついで慢性肝疾患,原発性胆汁性肝硬変,肝内胆汁うっ滞の治療薬として確立されている.本稿では,現在UDCAが投与されている疾患として最も多いと考えられるC型慢性肝炎のUDCA治療について最新のデータも交えて概説する.なお,引用文献の数に制限があるため,主に最新の論文を引用した.それ以外は,以前の総説1)を参照されたい.

 

UDCAの至適投与量について

 

 慢性肝炎にUDCAを投与するとプラセボと比較してトランスアミナーゼの有意な減少がみられるのがわが国で報告されたのは, 1976年の山中らの'帝京人学医学部内科学教室の慢性肝炎患者での検討結果2)に遡る.この多施設二重盲検試験では,慢性肝炎患者29例にUDCA150 mg/日を,38例にUDCA 600 mg/日を,肘例にプラセボを12週間投与し, UDCA 150 mg/日および600 mg/日投与群でプラセボ群に比して有意なGOT,GPTの低下が認められている.また,これ以降のいくつかの慢性肝炎に対する臨床試験の結果でも, UDCAの150mg/日という低用量でトランスアミナーゼ値の低下が認められている.このようなデータに基づいて,わが国での慢性肝炎に対するUDCAの投与量が150 mg/日となっているものと推定される.後に述べるように Cや慢性肝炎に対ずるUDCAの至適晉量は600 mg/日と考えるが,以前の臨床試験で150 mg/日でも効果が認められた理由は不明であるものの,C型肝炎の存在が知られる前の慢性肝炎患者の集団が現在のC型慢性肝炎患者の集団と異なっていた可能性かおる.

 

 以上のように, UDCA力丿慢性肝炎患者のトランスアミナーゼ慎を低下させることは20年以上前に認められていたがあまり注目を受けていなかった.皮肉にもUDCAが世界的に注目されるようになるのは, Leuschnerらが胆石患者にUDCA療法(8~n mg/kg, 60 kg で600 mg/日程度)を行った際,慢性肝炎を合併していた患者6例のトランスアミナーゼ値の低下が認められたとの発表が始まる.その後,イタリアを中心に二重盲検試験が多数行われ,UDCAが慢性肝炎のトランスアミナーゼ値を低下させるのが確認されている

 

 これらの報告でのUDCAの投与量は600 mg/日程度である.

 

 この中で,イタリアのCrosignaniらによるUDCAの3つの用量を用いたクロスオーバー試験の成績を示す。慢性活動性肝炎患者8例にUDCA 250 mg, 500 rag, 750 mg/日を2ヵ月ずつクロスオーバーで投与した際のGPT値は,投与量ともO mg/日より有意に低下し,その低下の程度には例数が少ないためか群間の有意差はみられないものの濃度依存傾向が認められている.GOT値およびy-GTP値でも同様の結果である.

 

 最近,イタリアから曾陸肝炎413例という多数例(このうちHCV抗休陽性は58%)に対しUDCA 600 mg/日を6ヵ月投与した結果が報告された。その結果, GPT値は投与前が正常上限の5.01±2倍から2.89±1.96倍と58%に低下し, GOT, y-GTP直の低下に加えて, ALPとビリルビン値の有意な低下も報告されている.

 

 わが国でも, UDCA 150 mg/日よりも高用量の方が慢性肝炎のトランスア