読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

小柴胡湯とIFNの併用療法

 

 小柴胡湯は,肝機能や自覚症状に対する効果のみならず,ウイルス学的改善効果も有する可能性があることから,抗ウイルス剤であるIFNの効果を増強する可能性がある.筆者らは,まず,B型慢性肝炎患者においてIFNβと小柴胡湯の併用療法を施行し, IFNβ単独投与に比して高ウイルス作用を発揮し得ることを報告した。 C型慢性肝炎でも同様の効果を期待して, IFNβと小柴胡湯の併用療法の効果を検討するopen trial を行った。

 

 本検討では,すべての肝治療薬は1ヵ月間以上にわたり服薬中止にした上で治療を開始した.天然型IFNβは6MU連日2週間,さらに6MUを週3回22週間投与し,小柴胡湯はこの間および中止後6ヵ月合計12ヵ月間連日投与した. IFN投与終了後6ヵ月後まで経過観察した28例では,血清ALT値正常化率は46%, HCV-RNA陰性化率29%であった.他施設におけるIFN治療の成績と比較して,高年齢層での有効率が特に高い印象があったので,50歳以上の20例で年齢別,ゲノクイプ,ウイルス量との関係を見た.血清ALT値正常化率は60%と高ぐ, HCV-RNA陰性化率も35%であった.

 

 HCV-RNA陰性化け高齢者ほど低率であった力1,血清ALT値正常化は年齢とは無関係であった.ゲノタイプ別では1b型の有効性が2aおよび2b型に比し一般に報告されているほど差は認められず,また,ウイルス量との関係も108コピー以下であれば同様な印象であった.なお,有効性は肝組織像とは無関係に見られた.血清ALT値の推移を見ると,投与終了時までに前値より低下した25例のうち,13例は投与中止後3ヵ月目に再上昇したが,6ヵ月目にはそのうち7例は再び低下し,4例では正常化した.また,投与終了後6ヵ月目に初めて正常化した症例を3例認めた.HCV-RNAでも投与終了時陰性から3ヵ月目再陽性,6ヵ月目再陰性化症例が2例,投与終了後3ヵ月以降に陰性化した症例が1例認められた.

 

 これらC型慢性肝炎に対する効果は症例数が少ないだけに結論を出しえないが, IFN単独投与では無効とされる症例でも有効となっている可能性が示唆される.小柴胡湯とIFN aとの併用では間質性肺炎の合併が問題とされるが,現在まで86例にこのIFNβを用いた併用療法を行っているが同合併症は認めていない.