蛋白アミノ酸代謝異常の特性からみた経口分岐鎖アミノ酸製剤の必要性

 

 肝硬変では種々の栄養代謝異常を認めるが、なかでも蛋白・アミノ酸代謝異常に特徴がある。肝硬変における蛋白・アミノ酸代謝異常を示す。血漿中のアミノ酸代謝異常では、特にBCAAの低下と芳香族アミノ酸(Tyrosine、 Phenylalanine)ならびにMethionineの上昇が特徴的である。蛋白代謝では、低蛋白および低アルブミン血症がみられるが、血清アルブミン値とフイシャー比とは正の相関関係を示し、アミノ酸代謝異常と蛋白質代謝異常は同時期に認められる。さらに尿素窒素合成の低下が認められ、過剰な蛋白摂取により高アンモニア血症や肝性脳症を引き起こすといういわゆる蛋白不耐症の病態も生ずる。したがって食事療法を行う際に、蛋白不耐症を持つ症例においては、蛋白質摂取により病態の悪化を招く危険があり適切量の蛋白質またはアミノ酸を投与し、低アルブミン血症などの低栄養状態を改善する必要がある。

 

 食事によりBCAAを多く含有し、蛋白不耐症にも適する食品の検討もなされたが、実際の食品中に含まれるBCAA量はほぼ同様であり、食品より十分なBCAAを補充し、蛋白アミノ酸代謝異常を是正することには限界があり4〕、経口分岐鎖アミノ酸製剤が開発された。