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コラゲナーゼは肝線維化改善に役立っているか?

 

慢性四塩化炭素投与による肝線維化過程の生物学的コラゲナーゼ活性としてMMP-1、 MMP-8も観察し、線維化初期には活性の上昇を、肝硬変では活性の低下を明かにした(Nature、 1974)。このことは、線維化の初期にはマトリックスの産生に呼応して分解酵素活性が誘導され、肝硬変に至るとマトリックスの分解が低下しているから、そして産生か分解をけるかに上回るから線維化か高度に蓄積すると考えられる。

 

 慢性に四塩化炭素を投与して肝線維化を作製した後、四塩化炭素の投与を中止すると線維化の消失ないし軽減がみられる。この肝線維化改善過程で生物学的にコラゲナーゼ活性を測定したが、線維増生の盛んな時期に酵素活性が高く、かんじんな結合組織の破壊消失の時期にはコラーゲン量の減少にあわせて活性は低下していた。腺維化をさらに高度とするために、すなわち新しいコラーゲン線維を組織に沈着させるために、既存の組織を破壊する

必要があり、そのために線維化初期にコラゲナーゼ活性が高いとも考えた。それというのも、コラゲナーゼが本当に線維化の改善に関与する直接の証明が今まで報告されていなかった。強いて言えば、C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法で、線維化の改善がみられた症例では、投与前の血清MMP-1値が低く、投与後に高値を示した。これだけが得ていたコラゲナーゼが線維化の改善をきたすという結果に結びつく成績であった。

 

 今回のシンポジウムで、筆者らは、肝線維化過程および線維化改善過程のコラゲナーゼの遺伝子発現についてRT-PCR法およびin situ hybridizationを用いて検討し、線維化改善の過程で遺伝子発現が明瞭に見られ、コラゲナーゼが間違いなく線維化改善に関与することを観察した。そしてその主役は伊東細胞であることをα-smooth muscle actin に対する抗体を使ってin situ hybridizationと二重染色により示しか。また線維化の改善過程で肝細胞にもMMP-1の遺伝子発現を観察した。さらに確認するため検討を進めている。