PBCの治療

 症候性PBCの予後は,自然経過の検討から10年足らずと報告されている.一方無症候性で経過した場合の予後は良好であるが,症候性に移行した場合,その後の予後はやはり10年程度である.厚生省「難治性の肝炎」調査研究班の報告では症候性への移行率は5年間に約25%で,また無症侯性PBCの90%が症候性に移行したとの報告もある.無症候性PBCの予後は非常に良好であるという報告15)がある一方で, Mayo Clinicのグループは2年間の観察期間中に半数以上の無治療PBC患者で組織学的病期の進行が見られたと指摘しており、無症候性でも定期的な経過観察と治療が重要である.

 

 PBCが進行すると胆汁性奸硬変に至り,この不可逆性病変の治療法は現時点では肝移植のみである.欧米でのPBC肝移植患者の5年生存率は平均80%であり他の肝疾患に比べ良好な成績が得られている.総ビリルビン値が2.0mg/m Iを超えると進行が加速心札数年以内に腹水貯留などの肝不全の兆候が現れてくることが多く,移植時期のタイミングが計られている. PBCの死因が最も多く,ついで消化管出血である.治療が検討されたが,いずれも安全性において評価できる報告はなされていない. predniso]oncに関しては,前述のMitchisonらの報告以外にも,PBC非進行症例に後述のUDCAを併用した場合,各々の単独投与に比較して良好な成績が得られたとのpilot study17' があり,早期PBCでは特に効果が期待される. vitamin D3, K2製剤との併用による副作用対策も可能であり,大規模なcontrolled studyが急務である.