アルコール性肝線維症

 

 

 わが国に最も多く認められ,肝に脂肪の沈着,肝炎および肝硬変の所見がなく,特異な形の線維増生か口立つ病型である.本症には特徴的な検査所見はなく,臨床症状および検査成績のみからはアルコール性肝線維症の診断は困難である.したがって,早期の積極的な治療を必要とするアルコール性肝炎では,臨床的診断基準に従うのが実際的である.アルコール性肝炎は症状が極めて軽度のものから急性肝不全の状態を呈するものまで幅広く存在し,特に後者の状態では,初診時の治療が予後を左右する.黄疸,発熱,肝腫大が高頻度にみられ,時に腹水,浮腫,脾腫も認められるが,腹水は,肝硬変を伴わない時でも出現することがある.また,肝腫大は最も特徴的な所見であり,一般に圧痛を認めることが多い.なお,肝外閉鎖性黄疸との鑑別を要することが少なくなく,発熱・黄疸・上腹部痛・白血球増多などの所見が揃うと外科的黄疸と間違われることがあり,開腹した場合は予後は極めて不良であるので,注意が必要である.